今年はシャドーボックスの作品展覧会からはじまり、教室作品展、教室活動を通して素敵な方達の出会いや交流がありました。『シャドーボックスの、芸術性としての奥深さや、可能性を秘めたジャンルである事を私が伝えて行く』上でとても良い経験をさせてもらっているな、と感じています。
その出会いの中で素敵な事がありました。
それは、私の作品を美術協力として提供し制作した短編映画、『ふたりの扉』が完成した事です。チームが一丸となって作り上げた映画です。参加して制作に携わる者達の熱い気持ちや作品に妥協はしないと言う思いは同じクリエーターとして共感する所が多かったのですが、決定的な事は「チームで作り上げると、とても大きな力が発揮できる」と言う点でした。
映画を見ましたが自分が参加したシーンは自分事のように嬉しくて、このストーリーにシャドーボックスがお役に立てて本当に良かったと思う私です。まずはご覧下さい↓
ご意見ご感想を聞けたら幸いです。
【ここからは報告ですので長い文で申し訳ありません......】
話は8月になりますが、私の元へ「デジタルSKIPステーション」と言う映像会社から、シャドーボックスの作品を企画映画に出展させて欲しいという依頼がありました。説明すると、こちらの会社は埼玉県の委託を受け県の魅力を発信するインターネット動画サイト『コバトンTHEムービー』を制作しています。主要なコンテンツとなる映画やドラマ部門は県が映像産業の活性化と若手クリエーターの育成を目的としてバックアップしているのだそうです。埼玉県はそのうような活動もしているんですね。
脚本が送られてきて拝見すると、ストーリーの中に「シャドーボックス」の文字を発見!のみならず、主人公の美咲が自分の作品(私の作品)であるシャドーボックスを眺めるシーンがありました。作品が映像として映ると言う事なのでしょう。わくわくしてきましたが、一体何処まで立体として映るのか心配でしたが
監督(
前田直樹)とプロデューサーの熱意に賛同しお話を引き受けさせて頂きました。
実を言うと、映像として映るシャドーボックスを私自身が見てみたいという気持ち、少なくともWEB映画を見てくれた方にはシャドーボックスって?と興味を持って頂けるかなとやや打算的な思いも。。。。
私が映画に立ち会ったのは主人公(葉菜と美咲)が成人してからの章。彼女たちが夢をかなえる為頑張って作った作品をたがいに見合い夢を確認し合うと言うシーンと。二人の友情が一人の男性によって壊れてしまいそうになるしょっぴりシリアスなシーンでした。美咲役の伊沢美恵子さんが今回私の作品を扱うのでいくつか持って行った作品の中で一番気に入った作品を選らんで貰いました。
それが、私としても想い出深いAnton Pieck 『広場の馬車』でした。「シャドーボックスは初めてみましたがこの作品が一番好き!」とおっしゃってました。確かに私が始めたきっかけもAnton Pieckの絵でした。今では殆ど作らなくなりましたけど。シャドーボックスの原点なのかもしれません。
監督と女優さんが撮影前に念入りに打ち合わせをします。どんな状況か、気持ちはどうか......脚本の通り撮影はしないので、最後の場面が前半に撮影なんて事もあるらしい、映画も結構切り貼りなのです。
この日は8月13日、室内でしたが、カメラが回る時はエアコンは切ります、一切雑音はNGなのです。暑かった~という記憶が....
私の作品をこれほど丁寧に扱ってくださった事に感謝です。「立体感を映像化する」と言う事がお約束だったので。美術さん、照明さんも慣れないシャドーボックスに悪戦苦闘していました。一体どうやって作っているのか、素材は何か、高さ付けは何を使っているかと質問され、内容がわかった所で再度調整。映画ではほんとうに数秒のシーンなんですよ!カメラ撮りは数十分もかけて、ストーリーだけではなくこうした脇のディテールにもこだわる監督でした。
シャドーボックスもスポットライトを浴びて嬉しそうだったな。
映画の撮影スタッフと女優さんと最後に撮影終了後記念撮影。朝9時から最後のシーンは11時まで
暑い中みなさんと共に貴重な体験をさせて貰いました。今後の私の制作人生にとって素敵なスパイスとなっていく事は間違いないですね。何かを成し遂げる喜びがこの笑顔にすべて込められています。
写真手前右の葉菜役だった石川紗彩さんは私の教室作品展にも来てくれました。左手前は美咲役の伊沢恵美子さん。監督は中央黒渕メガネの方です。
映画『ふたりの扉』あの猛暑を一切感じさせない程すがすがしい映像になっているのは監督の力量ですね。「アクション! & カット!」の響きがいつまでも私の記憶に残り続けます。
シャドーボックスを紹介したいと活動していますが、実はシャドーボックスで沢山の方達と出あっているといってもいいのかしら?またどんな出会いがあるか楽しみにしていると共に一層精進していきたいと思う私です。